



黒い力は、周りにいる人たちを不幸の道へと誘ってしまう。たとえそれが、自分にとって大切な人であっても関係ない。ある程度力の制御はできても、生きている以上完全に封じ込めることはできない。
……フリズレイヴはかつて、自分の持つその力のせいで、愛する人を失った。
ディアブル(悪魔)と人間は関わってはいけないと教えられて育った。でも……彼女・アステリアは、心が冷め切っていたフリズレイヴを温かく包み込むように愛してくれた。
フリズレイヴは何度も言った、自分と一緒にいても命の保証ができないと。それでも彼女は何度も言い返した、死んでもいいからあなたと一緒にいたいと。
……二人の間に生まれた息子のケティルは、黒い力をほんの少ししか持っていなかった。ケティルもまた、フリズレイヴの黒い力に影響されていたので、フリズレイヴは愛する息子さえも遠ざけながら、ときには厳しく突き放したりもしていた。まだ小さな甘えん坊のケティルが、だっこしてほしい、なでてほしいと泣いているのを見るのは心苦しかったが、父として、息子を守りたい一心だった。
パパはアルちゃん(アルエット)のことを嫌っているわけじゃないんだよと、ケティルは言いたかったんだ。



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