『さくらがさくころに』の解説、及びフェイマのお話 その1

『さくらがさくころに』についてはこちらの記事からご覧ください。
『さくらがさくころに』 ←クリックすると開きます。

フェイマちゃんは……まだ不確定ですが、自閉症やその他精神障害を患っているようです。
言葉を発するのが苦手で……文字はある程度書けますが、文面でもあまり難しい言葉が使えないのは、今のところ自閉症であることが関わっているのではないかと思っています。

フェイマちゃんの過去に、何があったのかは今のところほとんど分かっていません。
私はうちの子たちの心の声を聴いたりしていろんな情報を集めているのですが、フェイマちゃんは過去のことをほとんど語ってくれません。
あえて言うならば、「ユアートに来る前にいくつか怖い思いをしている(ユアートに来たとき、ひどく怯えていました)」「ユアートに来たということは、おそらく除け者にされていた」「でも、愛されることは知っている」ということです。

フェイマちゃんがカウラスくんと出会ったのは、お役所です。カウラスくんは……まあ業務は様々ですが、お役所で”外から来たひと”の手続きもしています。
……フェイマちゃんはひどく怯えており、泣いていました。
――またカウラスくんの話ですが、カウラスくんはおいしい紅茶を淹れるのが上手です。その時の状況に合わせて、風味なども考えて調整しているようです――。
そんなフェイマちゃんを見て、安心してもらいたいと思ったカウラスくんは、”あまいミルクティー”を淹れました。
それが良かったのか、フェイマちゃんは少しほっとしたようです。ついでに、その後もカウラスくんの淹れる”あまいみるくてぃー”がお気に入りです。
――カウラスくんは、とても優しい接客ができる子です――フェイマちゃんを、あの手この手で落ち着かせていました。

フェイマちゃんが言葉を発しようとしなかったので、筆談をすることになったのですが……自分の名前は書けました。でも、自分の年齢や出身地は書けませんでした、分からなかったのです。
困ったカウラスくんは、ひとまず書類に仮の年齢と出身地を書いておくことにしました。そのときの年齢、カウラスくんは16歳と記載していましたが、実際の年齢は私もまだ把握できていません。

――ユアートは、”外から来たひと”たちを歓迎しています――お役所は”外から来たひと”たちのための住まいを確保したり、助成金を出したりしているので、フェイマちゃんも、お家とある程度の生活資金を手にしました。……でも、カウラスくんはなんだかとても嫌な予感がしていました。

カウラスくんの予感は的中、翌日ごろ、フェイマちゃんが再びお役所のカウラスくんのもとを訪ねてきました。……また泣きそうな顔をしながら、先日渡したお金(助成金)を全て差し出してきました。カウラスくんはびっくりしましたが……相談室に案内し、筆談で事情を訊くと……なんと、お金の使い方が分からないというのです。
きっと何も口にしていない……そう思ったカウラスくんは、一応業務の一環として、フェイマちゃんとお食事に行くことにしました。何が食べたいかと訊くと”けーき”だと答えたので、カフェに……。

その後、カウラスくんはフェイマちゃんの家を訪問しましたが、真っ暗で、何も置かれておらず、とてもひとが住めるような状態ではありませんでした。

とてもとても心配になったカウラスくんは、毎日のようにフェイマちゃんの家を訪問しては、食べ物を準備したり、洋服を準備したり、いろんなお世話をしていました。これも業務の一環として、ひとりの”外から来たひと”の生活を保障するため……でもありますが、カウラスくんはとても優しい子……いえ、優しすぎる子なので、自分にできることはなんでもしていました。

そんな日が続いて……でも、カウラスくんは気づきました。ユアートには記念日があり(多分いつか詳しく別ページで記載する)、それから5日ほど役所が閉まってしまうのです。……役所が休みである以上、業務として”外から来たひと”への対応ができません。
……でも、優しすぎるカウラスくんは、休みを返上して、フェイマちゃんの家を訪問していました。とても心配だったから。


――ここまでが、『さくらがさくころに』の1番(ワンコーラス)の解説・物語です。
次のお話はこちらです↓
『さくらがさくころに』の解説、及びフェイマのお話 その2

コメント