フェイマがカウラスと出会って、それから……のお話です。
『さくらがさくころに』の歌詞はこちら
その1、その2もありますので、ご一緒にお楽しみいただけたらと思います。
フェイマはそれから、カウラスと幸せに過ごしました。
毎年、春になるのが楽しみでした。大好きな桜の花を、カウラスと一緒に見に行けるからです。フェイマは……おそらく、今までつらい経験をしてきたのでしょうけど、桜の花を見ていると、そんなこともなんだかどうでもよくなって、「生きていてよかった」と思えるようです。
でも、フェイマは……伝わらないことがとても悲しいのです。発語が苦手なフェイマは、上手に話すことが出来ません。カウラスに伝えたいことはたくさんあるのに、声にすることはおろか、自分の気持ちをうまく整理できず、手紙などもうまく書けませんでした。
……上手に喋れないことを揶揄されたことがあるのか、そもそも声を出すことすら躊躇してしまうフェイマ。勇気を出して、カウラスに「ありがとう」と伝えようと声を出したとき、なんとかそれが伝わって。それがとても嬉しくて。
しかしそれは、100%伝わるものではありませんでした。何度か、「ありがとう」を言っても、カウラスに伝わらなかったことがありました。……今まで、伝わらなかったことが当たり前だったのに、伝わったことがあったからか、以前よりも伝わらなかったことが悲しくて、発語することが怖くなる時もありました。
それでも、ありがとうが伝わると、カウラスは喜んでくれました。やっぱり、伝わったときの嬉しさの方が大きかったので、フェイマはできるだけ言葉で伝えようと試みていました。
「ありがとう」は、場の雰囲気で伝わることもありましたが、「だいすき」はなかなか伝わらず……今思えば、カウラスはフェイマの言葉を聞き取れていたのではなく、その場の空気を読んでフェイマの言おうとしていることを汲み取っていたのかな……。
それから月日が流れ、もうすぐ桜の花が咲きそうなそんな頃。
フェイマは、自ら命を絶ってしまいました。
でも……カウラスは、フェイマを……毎年いつも一緒に見に来ていた桜の木の下に埋葬しました。フェイマは、ずっとここで眠り続けます。また桜に花が咲く時期になれば、フェイマはここで……きっと、またカウラスと一緒に桜の花を見上げることができるでしょう。
……「さくらがさくころに」では、フラーゼのことについてあえて触れていません。
急に展開が飛んで意味不明!だと思いますが、私は……カウラスと桜の花に出会って、幸せに生きていたフェイマだけをこの歌の歌詞にしたかったのです。
フラーゼとの話は、またいつか載せますね。



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