リリーの物語 第1章

あの、小説とかではなく、説明文のような感じだととらえてください、ね。


そもそもルリーナ族は、単細胞生物のように、母体+αだけで増殖……というとなんだか菌みたいですが、父親は存在しません。リリーは、そんなルリーナ族の中でも、皇帝的な特別な存在・ルリーズの血筋で生まれます。でも、母体・ルビナはいろいろやらかして大変なことになりました(語彙力)。

2つ、問題がありました。
1つは、リリーにディアブル(悪魔)の血が混ざってしまったということです。
皇帝の血筋がけがれてしまったのはまだいいのですが(いや彼らにとっては大問題です)……ルリーナとディアブルの血を掛け合わせるのは、ある意味禁忌的なのもでした。大きな力を持つ者同士で、昔から仲が悪く、お互い干渉しないようにしてきたのですが、以前、そのふたつの血を掛け合わせて、化け物のような力を手にしてしまったルリーナがいた……と、噂されていました。
リリーはただのルリーナではありません、よりによってその皇帝的な大きな力を持つ者がそんな化け物みたいな力を手にしたら……なんて、ルリーナの民たちは恐怖で震え上がりました。

もうひとつは……これは意外と(現実でも、あちらの世界でも)知られていないことなのですが、実はリリー、本来は「名無し」だったのです。母体・ルビナは、生まれたその子に名前を付けずに消えていってしまいました。

こうして悪夢のようにうまれてしまったリリー……ルリーナの民たちはその「名無しの皇帝」を恐れ、避けていきました。

……ひとりぼっちの「名無しの皇帝」……名前を付けてくれたのは……これは黒歴史なので、”自分でつけた”か、”お花の妖精さんにつけてもらった”かにしようと思っていて、未だに決まっていません。でも、リリーという名前を持ちました。……民たちは話も聞こうとせず避けていくので、リリーという名前は、その時はまだ知られていませんでしたけども。

……そのときとなっては、ほぼ階級?位?みたいなのはなくなっていましたが、気にする子たちはまだいました。もともと身分が低かった子たちです。
いろいろあって(雑)、リリーは初めて、そんなルリーナと話をしました。友達になりたかったのですが……リリーは無理やり友達だと言っていましたが、その子……ティリは、ずっとリリーのことを「リリーさま」と呼んでいました……恐れていたからです、悪魔である以前にリリーたち”皇帝”は、身分の低い者たちにとっては逆らうことのできない偉大な存在だったからです。
でもまあ、リリーが友達だと言っている以上、ティリはその場から離れられず、ただただリリーの言うことを聞いていました。周りのルリーナたちは、ティリがリリーにつかまってしまってかわいそうだと思う反面、頑張れティリあとは任せたぞ!と言わんばかりにティリのことまで避けるようになってしまいました。

ティリは、たまにアルビネスの外に出かけていました。ティリは混血で、どこか周りのルリーナたちとの距離を感じており、人間たちの住む場所(実はユアート)を度々訪れていたようです。
そんなティリがいないある日、リリーはひとりぽつんと花を眺めていたのですが……突然、リリーは尋常じゃないほどのとても大きな魔力の気配を感じました。
……リリーは、ルリーナの民たちから避けられていたのにも関わらず、ルリーズとしての責任感の方がまさったようで……ルリーナの民たちをこの魔力から守らないとと思い……でも、アルビネス全体を守るには時間がないことを察し、「みんな逃げて!」と……ただそう言うことしかできませんでした。

……リリーの言葉を鵜吞みにする者はいなかった、と昔の私は思っていましたが、今となっては、おそらく時間がなかっただけなんだと思います。当然、誰も死にたくなんてないでしょう。リリーの言葉に対しての反応が遅れた、そう思っておきます。

辺りは一瞬まばゆい光に包まれ、リリーは目を閉じました。そのとき、大きな音と、叫び声のようなものも聞こえて。リリーが再び目を開けると……そこはもう、リリーが好きだったアルビネスの景色はありませんでした。一面赤い炎が激しく立ち上っており、ルリーナの民たちの姿も見当たりません。

リリーは……リリーだけ、生き残ってしまったのです。

ルリーズは特殊な体質……というか、もうなんだかんだチートなので……、リリーはかすり傷ひとつつきませんでしたが、心に大きな傷を残してしまいました。
怖いのはもちろんのこと、自分はルリーズなのに民を誰一人として守ることもできなかったという自責の念に駆られ、リリーはしばらく放心状態になっていました。

……空がとても青い日でした。


リリーの物語が始まって早々……ファンタジー創作あるあるな序盤で故郷滅ぶ系のやつなのですけども……この事件は、リリーののちの人生もめちゃくちゃにしますし、なんならリリーは一生この出来事を引きずって生きていきます。まだ幼いリリーにはあまりに衝撃的でしたね……

コメント