先に言っておく。途中まで書いて放置していたのだが、結局私は何を書きたかったのか分からなくなってしまったので、中途半端な内容となっている。
フリズレイヴがユアートに来てから、アステリアと出会うくらいまでのことが書かれてあるのだが、これを書いたのはどうやら2023年10月頃のようで、内容は当時のものとなっている。現在は変わっている・もしくは確定している事項があるかもしれない。
それでは。
彼の名はフリズレイヴ。年齢は200歳手前といったところだが、人間の感覚で言うと20代半ばといったところだろう。まだ若い青年だ。
彼に何があったかは分からない。ただ、そこに居づらくなった、逃げ出したくなったということはわかる。彼は、自ら望んで呪われた地・ユアートを訪れたのだった。
最初は観光……というか、どこでもよかったのでと思う。それがユアートでなくとも、誰も自分を知らない・一人になれる場所に来たかっただけだと思う。
もともとそういうこともあり、繊細で傷つきやすい者であることは推測できた。
また、彼はディアブルという種族。後ほど解説をするが、ヒト型をしているものの肉食で、それは人間もまた例外ではないといえるだろう。それも関係あるのかないのか、誰もいないような山奥へと彼は無意識に向かっていった。
まあ、一応落ち着いたら帰るつもりだったのだろう、ここまで遠くまで逃げてくる必要があったのかはさておき。
だが彼は不幸な目に遭ってしまう。雲行きが怪しくなってきたと思ったら、雷に打たれてしまったのだ。ディアブル族の彼には黒い大きな翼があり、彼は飛行で移動していたため、まあ落雷に遭いやすい場所にはいたのだが……。
これは不幸中の幸いとでもいうのか、雷に打たれたとはいえ、翼が少し焦げただけで済んだ……が、それはあくまで雷によるもの。彼はびっくりして飛行体制を崩してしまい、そのまま森に落下してしまった。
……こちらの方が大惨事。彼は片方の翼と、片足を折ってしまった。他にも体の至るところを打撲したようで、かろうじての鎮痛の魔法は使えるものの、動けない。めちゃくちゃ痛い。
……彼はそのまま、降り始めた冷たい雨に打たれながら気を失ってしまった。
どれくらい経ったことだろうか、誰かの呼びかける声と、腕のあたりをポンポンと触れられる感覚で彼は目を覚ました。
いまいちまだボーっとしてしまっており、状況の理解に少し時間がかかってしまったが、彼はハッとしてその場を離れようとした……が、全身に激痛が走り、声にならない声を上げてしまう。
目の前にいる、自分に声をかけていたと思われる者は……おそらく人間。若い女一人のようだ。だがそれにしてもおかしい、彼は誰もいないような山の方面に向かっていたのだ。辺りに木々しかないようなこんな場所に、なぜ人間がいるのだろうか。
彼は動けないことを改めて理解し、とっさに声を上げた。
「寄るな人間、私に近づくと4ぬぞ!」
――ここで補足を入れさせてもらう。彼はディアブル族……悪魔のような見た目をしており、周囲のあらゆる運命を不幸へと導いてしまうという〈黒い力〉をまとっている。普段であればその力はある程度制御が効くが、今は痛みで気が気ではなく、おそらく制御できていないような強い〈黒い力〉が出ているはずだ。
非人道的だといわれることも多いディアブル族であるとはいえ、皆が皆そうというわけでもなく、一応小さく弱きものは危害を加えるに値しないという考えを持つディアブル族もいる。彼もそういう者だった。
手っ取り早く言うならば、今この人間が彼に近づくというのは非常に危険、下手すると命の危険すらあるぞ、という意味だ。
ここからは第三者(私)視点ではなく、彼の視点での語りになってしまっている、申し訳ない。
だが、その人間は一歩も引こうとしなかった。
「もう!今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?」
と、荒らげた声で言い放ってきた。
まあ、確かにそうだ。本当は人間の身を案じる余裕などない。だがそう言われたところで、こんな貧弱そうな人間の小娘に何ができるというのか。無駄に命を削らせてしまうだけだろうと思い、なんとか立ち去ってくれないかと願うばかりだった。
「雨も降ってたし、濡れて体も冷えてるでしょう。うち近くだから休んでって、連れてくから!」
ディアブル族は人間と比べると体が大きい。一応それなりの魔法が使えるのならば運べる方法はあるのだが……フツーに服を引っ張られつつ引きずって行かれるつもりのようだ。
心底やめてほしい。体中が痛いのもあるが、服は着ているとて翼や尾は露出しているため、引きずられるとモロに地面に擦られて痛い。首はなんとか動くが、下手すれば後頭部ハゲるぞ。
……なんて言う余裕もなく、ただ痛い痛いと苦痛な声を上げることしかできず、そのまま力ずくで引きずられ……しばらくすると、その人間のものと思われる家にたどり着き、ひとまず玄関で人間はひと休み。翼は折れているが、加えて破れてしまったかもしれないな。尾もかなり擦られて痛いがなんとかくっついているな。と考えられるようになる程度には、人間がひと休みしたことで自身も一旦安堵していた。
だが本当におかしい。こんな村の集落から離れた山奥で森の中、ここの周りは少し開けているとはいえ、家屋は他には見当たらない。家にも別の人の気配はなさそうだ。この人間の小娘は、ひとりでこんな場所に住んでいるのか?
ふうと一息ついたその人間は、また私を引きずりだし、家のさらに奥へと進んだ。痛くてまたもや声を上げてしまう。
寝室だろうか、部屋に連れてこられた。ベッドがあるが、さすがに人間の小娘では私を持ち上げられず(そもそも痛いからむやみに動かそうとしないでくれ)、私自身も動くことができそうにないため、部屋のその場で休むこととなった。
今は仕方ない、どうせ私はあのままでも動けなかった。でも少しでも動けるようになったらさっさと出ていくぞ。
人間の小娘は、いろいろと世話をしてくれた。多少強引なところはあるし、人間の食べ物は不味い。だが親切にしてくれている以上は文句は言えないし、頼るしかなかった。
……申し訳ないというか、罪悪感というか、心苦しさを感じる。やはり痛みと……あれから熱も出てしまったため、〈黒い力〉を制御できる余裕が全くないのだ。この不安定な〈黒い力〉が、人間の小娘を蝕んでしまっていることは明白だろう。自分は特別その力が強いというわけではないが、強くなくとも人間にとっては十分に危険だ。どの程度影響を受けているか窺うことはできなくとも、あの人間が「不幸へと導かれる」ことは安易に想像できることだった。
書かれてあったのはここまでだ。この記事のタイトル「優しすぎるがゆえに」から、言いたかったと推測されることを簡易的に書いてみようと思う。
「断れない性格」
とにかく優しいというか、お人よしというか、優柔不断というか……自分の気持ちはちゃんと持っているけど、流されてしまいがちだし、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先して我慢してしまう癖があるようだ。この後も、アステリアに振り回されまくることになるぞ。
「自分には厳しい」
これよりもっと先の話も含めるなら、自分を責めるのが癖というか、自分を責めないとやってられないような性格だ。責任感が強いという見方もできるが、ある意味自分を追い込むがあまり、相手が望まぬ自虐的なことをしたりもする。生きるのたいへん。
「ちょっとだけなら」
彼はある意味この言葉に呪われている気がする。ダメ!と言っても、相手に悲しい顔をされながら、えー!ちょっとだけならいいでしょう!?と言われると、し、仕方ないなあ、ちょっとだけだからな!と許してしまう。他者には甘い。だからナメられるんだよ()。
……といった感じだろうか。関わりがあるのがだいたい人間などの弱者だということも要因かもしれないが、祖国でもそんな感じだったのではないかと考えられる。
「自分は心が弱い」と自覚(?)しているようだ。それでも人間たちの前では強がろうとしているが、アステリアや息子のケティルにかなり振り回されているというか、全く怖がられる様子もなく、むしろ甘えられている。本人、まあまあディアブルとしての威厳(?)がないのを気にしているので、悔しいようだ。
結論:フリズレイヴはかわいいぞ。
こちらのアステリア視点みたいな記事(【未確定】アステリアの話(過去→フリズレイヴとの話))もありますので、併せてご覧になっていただくとさらにお楽しみいただけるかと思います!



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