クレイオスのことについて、今までの経緯を話しておく。簡単にまとめるつもりだったがどうやら長くなりそうだ。
クレイオスの父がひどい暴力を振るう人で、日常的に母・リュシエンヌがDVを受けていた。クレイオスはそんな母に庇われていたため無事だったが、ある日父の逆鱗に触れた母を亡くしてしまい、父と二人暮らしになってしまう。当然のように暴力の矛先が自分に向いてしまうようになる。詳しくはここに書いてたかもしれない、あとで確認しておく。
↑確認した。ここと、もう少し先のことまで書かれてあったよ。
学校には行っていたが、正直いじめられっ子体質だったので学校も居心地が悪かった。でも、親友がいた。ひとつ年上のユディだ。ユディのおかげで、なんとか学校には行けていた。
でも、クレイオスが8歳くらいの頃……今まで黙っていたけど、日毎に新しい傷が増えていくのをユディに心配されたりしていたので、ついに思いがこぼれてしまった。「家に帰りたくない」、と。
ユディは母・エルシャに相談し、その日はクレイオスをユディの家に泊めることにした。ユディには父がいない。母ととても貧しい暮らしをしており、そこは家と言いつつ本当は借りているボロボロな物置小屋だったりもするし、食事も豪華とは程遠いもの……。またこの日の話は……うーん、もしかするとR18になるかもだけど、詳しくは別で語るかもしれない、長い夜のお話だから。(長い夜とか言い方が悪いがHなことではない、優しく温かくもつらいお話)。
その日が最初で最後だった、ユディの家でのお泊り。ユディの母は、またいつでも来ていいからねって優しく言ってくれた。でも、やはり……父がここまで来たらどうしようと考えてしまい、一旦家に戻ることになったが、当然無断外泊したため父にめちゃくちゃボコボコにされてしまった。
ということもあり、しばらく外泊は控えようと思っていた。だが、父からの暴力はひどくなる一方で、それにある日から突然、ユディが学校に来なくなってしまった。
ユディが何日も来ないので、クレイオスはユディの家を訪ねたのだが……あの物置小屋にはもう、誰もいなかった。
家どころか、学校にもどこにも居場所をなくしてしまったクレイオスは、ついに家を飛び出してしまう。行く宛なんかない、ただ父に見つかりたくなくて、森の奥の方へ、遠く遠く……
夜はひどく冷え込み、その日は何も口にしていなかったため空腹でもあった。辺りは真っ暗で、怖くて足も動かない。クレイオスはその場でただうずくまっていた。
そこで出会ったのがコヨルシャウキ。コヨルシャウキとの物語もまた別の機会に話すことになると思う。もう見るからに怪しい人物ではあったが、しばらくの間クレイオスを家に迎え入れてくれていた。まあ、怪しいコレクションたちのせいで眠れない日も多かったが、しばらくは、ね……。
でも突然、コヨルシャウキとの別れの日が訪れた。「いいかクレイオス少年、今から僕の言うとおりにするんだ。必ずだ。君はもうここにはいられない。」コヨルシャウキはそう言って、クレイオスが行くべき場所を教えた。「二度と帰ってくるんじゃないよ、帰ってきても……僕の亡骸なんて見たくないだろう?」とか、また訳の分からないことを言って……とりあえず、強制的に追い出されたクレイオスは、コヨルシャウキに言われたとおりの場所に行った。
もちろんコヨルシャウキがアポ?を取っているわけでもなく、そこ──寮ありの建築会社だった──の人たちもクレイオスが来ても意味が分からず……クレイオスは一生懸命、コヨルシャウキに言われたことを話した。ここで住み込みで働けと言われた、と。誰だよ千と千尋とか言ったやつ。
だが、クレイオスはまだ8歳……ユアートでは10歳未満は働くことを禁じられているため、建築会社のえらそうな人は困っていた。だがひとりがこんなことを言い出した、「給料を出すのがダメなら、お小遣いをあげてることにすればいい」って。
こうしてクレイオスは8歳でその会社に住み込みで就職することに……ほぼ男の人たちだったけど、優しい人たちばかりで、クレイオスを家族のように迎え入れてくれた。
最初はそれこそ働くといった行為は一応ダメなので、掃除をしたり、まあ雑用的なことをしていた。だが過ごしていくうちに、クレイオスは「読み書き計算ができる」「絵が上手い」ことを見出され、10歳になってからは建築デザインの部署に入ることになり、勉強しながら腕を磨いていった……。
後に妻になるジゼルや、再会したユディのことなどについてはまた別の機会に……。長くなったが、これが前置き。
ジゼルと結婚し、いろいろあったが養子を2人迎え入れて、家族4人で暮らしていたクレイオス。その建築会社も……マイホームを建てたため寮は出たが、建築デザイナーの仕事は続けていた。
どれくらい経った頃かは分からないが、クレイオスは仕事をする中である夢を持つようになる。
話はぶっ飛ぶが、親友のユディは自ら命を絶ってしまい、その頃にはもうすでにいなかった。ユディと再会した頃、あのとき病気で亡くなったと言っていたユディの母のお墓に一緒にお参りに来たこともあった。ユディはよく母のお墓に来ているようで、花を供えたりして大切にしているようだった。……墓の本体は、その辺に転がっていそうな石に傷をつけて名前を彫って置いているだけのような貧相なものだったが……。
いつかのそんな日のことを思い出していた。ユディが亡くなってからは、あの小さなお墓は……自分もなかなか行く機会がなく、他にも誰も手入れはしていないだろうし、見つけられもしないだろう……と。ついでに、ユディは自ら命を絶ったとはいえ、どこで亡くなったかも、その亡骸がどこにあるかも分からないため、どうすることもできなかった。
ユディにも、たった一晩だけだったとはいえとてもお世話になったユディの母にも……他にも、大好きだった母や、自分を助けてくれたコヨルシャウキさんのことも考えると、弔い方をどうにかできないか、お墓を、その人が生きた証としてもっとデザインとかできないかと考えたクレイオス……。
それを上の人に相談した。こういう仕事もやってみたいって。……でも断られた。ここはそういう会社じゃない、って。
でも、やれる方法はある。この会社をそういうこともできる会社にすればいいんだ、だからクレイオス、君が次の社長にならないかい?みたいなことを言われた……のよね。
クレイオスは虐待やいじめを受けていたこともあり、自信のない人で。僕が社長だなんて、って断ったけど、それでその夢を諦めるのかい?とも言われ……少し考えさせてください、という結論になった。
というのが今日の物語。これが数分で一気に流れ込んでくるんだ。物語はたった数分なのに、文字にするのは大変だね、ここまで1時間以上かかった気がする……。
なんとなく、クレイオスが社長になる未来が見えている。ここから彼が社長になる決断をする物語を、いつか見ることになるだろう。それを心待ちにしておこう。



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