シーラとクレハは親子だ。今回はそんな2人の〝すれ違い〟について書こうと思う。
まず先に説明をしなければならないのが、2人の体質についてだ。簡単に書いておく。
シーラは虚弱体質で、特に胃腸が弱い。こう言うのは悪いが、なぜ医学のないユアートで生きてこられたのかが不思議なくらいには弱いし、何度もタヒにかけたことがある。
クレハはそんな母・シーラの体質に加え、父・パフィオの体質も受け継いでしまっている。今回はパフィオの体質については省略しておくが、どちらにせよけっこう命に関わるようなものではある。だが、日常的にはシーラの体質の方で悩むことが多い。
まずはクレハの視点から書いてみようと思う。クレハの方が分かりやすいから。
お母さん(シーラ)はいつも笑顔ひとつ見せず、声のトーンもあまり変わらないので、優しくしてくれているものの怖い印象もあり(目つき悪いしお口がムスっとしてるからね)、話しかけづらかったりすることも多々あった。
お父さん(パフィオ)いわく、お母さんは怖い顔してるけど、怒ってはいないらしい。
それを知って改めてお母さんの顔色をうかがってみると、悲しそうな顔をしているようにも見えてきた。
自分(クレハ)といるとき、お母さんは悲しそうな顔をする……どうしてかな、やっぱり自分は悪い子なのかな、迷惑かけてるかな、って思ってしまうクレハ。
ここからはシーラ視点。なかなか一般人には分からないところもあるかもしれない。
シーラは別に怒っているわけではない、それは真実……目つきが悪いのは自覚してるから怖いと思われてもしょうがないとは思っているが、それでもクレハに顔色をうかがわれているようだし、どうにか迷惑をかけまいとひとりで何とかしようとしている姿が痛ましかった。
シーラは怒りではないが、悔しさや悲しさ、そして申し訳ない気持ちでいっぱいだった。自分をいつも責めてしまっていた。
つらそうにしているクレハを見ると、自分のせいだとも思うし、自分の過去や経験と重ねてしまってシーラ自身もつらくなってしまうことが多かった。
パフィオと約束したはずだった。両方の体質を受け継いでしまったクレハだから、ふたりで協力しようね、って。
それでも、おおよそいつもクレハが苦しい思いをしているのは〝シーラの体質〟の方なので、シーラは強く責任を感じており、自分が助けないといけないと思うが故に、パフィオが手伝おうとするのを拒むことも多かった。シーラ自身があまりに体調が良くないときは任せてしまうこともあったが、それはそれで申し訳なさと悔しさでいっぱいになって、布団に潜りつつ静かに泣いていたりもした。
これはクレハがまだ幼い頃の話だと仮定して見ていた物語だが、そんなクレハのことに関して何でも自分がやろうとするシーラだが、必ずと言っていいほどパフィオやローラ(シーラの双子の姉)に任せてしまうことがあった。
それは……食事と入浴。
シーラは、自分の醜い姿をクレハに見られたくないと強く思っている。クレハも将来こんなふうになるのだと不安を持たせたくないし、シーラ自身コンプレックスがあるからだ。
食事については、やはり食べられる量が極端に少ないことや、食べているときに気分が悪くなってしまうこともあるため、極力クレハとは一緒に食事をしない。
そして、入浴について……シーラの体はお世辞でもきれいとは言えない。ひどくやせ細って、骨が浮き出ているような状態だ。
元々、自分が醜いことを自覚しているのか、他人の視線を異様なほどに気にするシーラ……実際に体を含めいろんな醜いところを凝視されてしまったことがあるため、半ば恥ずかしくて消えてしまいたいといつも思っているし、クレハにもこんな体は見られたくない……ので、クレハとは入浴しない。
ちなみに、シーラ自身母乳の出が悪かったため、同時期に子どもを産んでいたローラにクレハの授乳をお願いしていたことがほとんどだった。そのためクレハはシーラの体をほぼ見たことがないのだ。
……クレハはそんな事情を知らず、単純にお母さんと行動をともにできないことを寂しがっていた。何でダメなの?と訊いても、曖昧なことしか言ってくれない……。
あるときまたクレハが同じような質問をしたとき、情緒不安定だったシーラはついに本性をあらわにしてしまう。
「そんなに私の醜い体を見たいのですか?!」
……珍しく声も荒らげて明らかに怒っているし、なぜか目には涙が溜まっているようにも見えた。クレハは何のことだか全く分からなかったが、シーラはそのまま部屋を出てしまった。
困惑しているクレハにパフィオは優しく声をかける。大丈夫、クレハは何も悪くないよ、って。お母さんのところに行ってくるから、ごめんだけどローラさんのところにいてくれるかな?って。クレハは心配しながらも、ローラの部屋で待機することになった……。
パフィオはなんとなく分かっていた、シーラはあの様子だと抑えきれないくらいに泣いてることも、そしてどこで泣いているかも。
……シーラはいつも感情を抑えている。リリーの言いつけを守っているからだ。これについては別記するかもしれないので省略しておく……。そんなシーラが感情をあらわにするなんてよっぽどのことだ。
……内容はよく分からないけど、パフィオはシーラのことをよく理解している……というのは半分ウソで、ほんとにシーラのことを理解しているのはパフィオに憑いている背後霊だったりする。背後霊についても別記すると思うので省略する……。というのはさておき、パフィオは優しくシーラをなだめていた。
やはりシーラは、自分を責めるする癖や、責任を強く感じてしまう性格のせいで、背負えないくらいのものを抱え込んでいたのだと思う。
クレハにどうして?と訊かれてもはっきりとは答えられない、だからといって自分の醜い体を晒すわけにもいかない。クレハのことを想うからこその悩みなのだが、それはシーラ自身はもちろん、クレハのことまで傷つけてしまっていた。
その後、そんなふたりの〝すれ違い〟がどうなったかはまだ物語を見ていない。関係が良くなっていることを願うが、シーラの性格からして簡単にはいかないかもしれない……。
ひとまず、ふたりの架け橋となっているパフィオのことも心配だが、私の願いはただひとつ。みんな幸せになってね、だ。いつか家族3人で笑顔になれる日が来ることを切に願う。私にできるのはそれだけだ。これからもゆっくり見守っていく。



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