イオ

イオは、アルトゥムが両親を亡くしてから引き取り手が見つかるまでにいた孤児院の職員のひとり。

アルトゥムは両親を亡くしたショック・ストレスでかなり具合が悪くなっており、熱などもあったせいか意識がおぼろげだったため孤児院にいた時のことをあまり覚えていないが、「優しい誰かがいて、その人が今住んでいる町に連れてきた」というかすかな記憶は残っていた。当時のアルトゥムが幼かったということもあるが、成長するにつれてアルトゥムはほとんどその人のことを忘れてしまう。

――アルトゥムの父方の親族はおらず、母方の親族をあたったが、その町の親族には全て断られてしまった。アルトゥムは何も食べられないような状態で横たわってぐったりしており、親族に引き取りをお願いしに連れていたときも、フラフラしながら立っているのがやっとという状態で。他の職員たちからもいろんな意味で諦められていたが、イオはできるところまでアルトゥムに寄り添ってくれた。

そんな孤児院で、イオはアルトゥムのことで上司と揉めてしまい、アルトゥムを別の町(にあとひとり親族がいるので)に連れ届けることを最後に孤児院を辞めた。

船に乗ってアルトゥムと町へ向かい、イオはその町の孤児院でアルトゥムの引き継ぎをしたが……自分の情報を書いた紙を渡し、「もし引き取り手が見つからなかったらここに連絡してください、私が迎えに行きます。」と言って、そこでアルトゥムと別れた。

……それからアルトゥムが親族に断られたのにも関わらず、イオに連絡なしに全く血も関係もなんのつながりのない人に引き取られたということを知るのはずっと先の話。
イオがアルトゥムと再会したのは、アルトゥムが大人になってからだ。アルトゥムはユアートで一番大きな町の役場職員として働いており、その町が自分がかつて住んでいた町かもしれないというのは薄々感じていた。
用事があって役場を訪れていたイオは、アルトゥムとすれ違った……大人になっていたとはいえ、イオはハッとして振り返り、アルトゥムの名を呼んだ……振り返ったその人は、吸い込まれそうな紫色の瞳と、ふさふさな髪、どこか愛嬌ある太い眉……アルトゥムだと確信して、思わず抱きしめてしまった。アルトゥムは突然知らない女性に抱きしめられ困惑してしまい……困らせてしまってしまったことに気づいてイオは離れて……覚えていないかもしれないけど、とイオは過去のことを少し話して、アルトゥムもそこでやっと、ものすごく記憶が薄いながらもそういう誰かがいたことを思い出し……。

それから、イオはたまにアルトゥムに会いに行くようになり、たまに家に招待して一緒に食事を摂ったりもしている……。
あれからイオが何をしていたのかはほとんど不明だが、元々子どもがおらず(夫はいる)、それからもいつアルトゥムが来てもいいようにと……ずっと想い続けていた、幸せになってほしいと願い続けていた。アルトゥムと再会したときはまあまあなお年(40代前後と推測される)だったため、おそらくユアートの平均寿命から考えてあまり長くは……といった感じだ。まあでも、アマーロ(アルトゥムの養母)の方が年上で先に逝ってしまうので、アルトゥムにとって……3番目の母というのは変だが、イオの家はまあまあ居心地よかったかもしれない。

なお、絵は全て若い頃のものなのでそこのところご理解よろしく……中年の人を描く機会がなかなかないというか、うちの子たちが老けてしまった姿とか想像もしたくないわ……アマーロなら描けるかもだけど、元々老け顔なので(?!)

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